そうだったのか? オバマ大統領とハグしたオジサン 日経新聞より

  歴史研究家・森重昭さん79歳
 8歳で被ばく、戦後復興が進み、森さんは会社勤めの傍ら広島への原爆投下に関する資料を調べた。「惨劇から生き残った者の使命」として正確な記録を残したいと考えた。研究を続けていた40年前、広島平和記念資料館に展示された「原爆の絵」に目を奪われた。
市民が記憶を基に描いた2千枚超の作品の中に、爆心地近くの橋に縛られた米兵などの絵が数十点あった。
被爆者に米兵がいるということは米国では公式には認められていなかったが、複数の絵を見て事実だと確信を深めた。・・・中略
広島県呉市沖で襲撃された米爆撃機の乗員12人が当時、爆心地近くの憲兵隊司令部に収容されていたことを知る。
・・・・中略
「捕虜になった米国人」5月27日の夕刻、オバマ氏が広島市平和記念公園で世界の人々に語りかけた演説で、感慨で頭が真っ白になった。
被爆後の人生で全力を傾けてきた自らの研究を米大統領が評価してくれていた。
演説後半の記憶がないという。・・・・・
オバマ氏が演説後ハグしたのは
「大統領が広島を訪れるのを一日千秋の思いで待っていました」森さんは米兵たちがそう言いたかったのではないかと思っている。