活火山、休火山、死火山-----日経新聞 春秋より

むかし学校でこの3分類を教わり、頭にすり込まれた人は多いだろう。
阿蘇山浅間山は「活」、富士山は「休」、御嶽山箱根山は「死」であった。しかし現在はこういう区分は廃され、過去1万年以内に噴火した山は全て「」だ。
歴史時代、つまり文字が生まれてからの噴火は記録がなければ死んだと見なし、記録があっても長く眠っていれば休止中というのがかつての判定だった。
大自然に人間の時間感覚をあてはめたのだから無理な話で、しだいに再検討が進んだ。
それを決定づけたのが1979年の御嶽山の噴火だ。死火山が生きていたのである。その御嶽が、また猛っている・・・・中略
真冬のよく晴れた日、濃尾平野から望む御嶽山は息をのむほどの荘厳さである。篤い山岳信仰を生み、噴火などすっかり絶えたとも思わせたゆえんだ。
けれでも火山にあっては「休」も「死」もかりそめの姿。おしなべて「活」であるという現実にあらためて向き合わねばなるまい。
それにしても御嶽よ、はやく鎮まれ!