今朝の山日新聞 『風林火山』より

15日(土)雪がやむと住人たちが外に出て「すごい大雪ですね」と言葉を交わしながら共に雪をかいた。近くで住人の車が動けないままだと知ると駆け付け、通行人も加わって車を押す。別のアパートの住民も周囲を除雪して手助けした。「大丈夫ですか?」山梨学院大の水泳部員約10人は甲府市内の寮周辺の住宅を回り雪掻きを手伝った。中には心臓病の高齢者が住むアパートもある、雪に阻まれ万が一の時に救急車が出入りできず、住民は困っていた。若者の力が住民の救いになった

甲府市の郊外から市中心部に向かう路上は、長距離の徒歩を余儀なくされた人たちであふれた。そんな一人一人に声を掛け、何人も車に乗せていく親切なドライバーもいた。ネット上では「リアル・アンパンマン」が話題だ。中央道談合坂サービスエリアで山崎製パンの配送車の運転手が積んできたパンや洋菓子を立往生している人たちに無料で配った。アンパンマンは自己犠牲のヒーローだ
個人主義時代と言われる時代でも、人のDNAには本来、互助や無私の心が備わっているのだろう。過去にない雪害がその心を呼び起こし。人から人に伝播し人と人をつなぐ。冷たい雪がもたらした心だった。